斎藤茂吉

作品
横雲をすでにとほりてゆらゆらに平たくなりぬ海の入日は 斎藤茂吉

横雲をすでにとほりてゆらゆらに平たくなりぬ海の入日は 作者:斎藤茂吉    

続きを読む
作品
神無月空の果てよりきたるとき眼ひらく花はあはれなるかも 斎藤茂吉

神無月空の果てよりきたるとき眼ひらく花はあはれなるかも  作者:斎藤茂吉 『赤光』 解釈:神無月の頃、秋が訪れるにしたがって開こうとする花は風情があるものだなあ。  

続きを読む
作品
まがかよふ昼のなぎさに燃ゆる火の澄み透るまのいろの寂しさ 斎藤茂吉

まがかよふ昼のなぎさに燃ゆる火の澄み透るまのいろの寂しさ 作者:斎藤茂吉  出典『あらたま』 解釈:昼の光に耀く渚に燃える炎の澄みとおる時の色の寂しいことよ。 ⇒8月、海岸で海士や漁師が暖を取るために火を囲んでいる情景を […]

続きを読む
作品
沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ

沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ 作者:斎藤茂吉 解釈:沈黙している私に見よというかのように、百房にもおよぶたくさんの黒い葡萄に雨が降り注いでいる。 山形に疎開していた茂吉が、祖国の敗北に言葉を失った様を […]

続きを読む
作品
いつくしく虹たちにけりあはれあはれ戯れのごとくおもほゆるかも

いつくしく虹たちにけりあはれあはれ戯れのごとくおもほゆるかも 作者:斎藤茂吉 『つゆじも』 解釈:冬の間、太陽の力が弱まって現れることが少なかった美しい虹が、ようやくみられるようになりました。おやおや、まるで天の遊びのよ […]

続きを読む
作品
蠟燭を消せば心は氷(ひ)のごとく現身のする計らひをせず

蠟燭を消せば心は氷(ひ)のごとく現身(うつそみ)のする計らひをせず 読み方:ろうそくをけせばこころはひのごとくうつそみのするはからいをせず 作者:斎藤茂吉 歌集『小園』 解釈:冬寒い夜の空気の中に灯りを消せば、自分自身も […]

続きを読む
作品
きさらぎのはだれのうへに見つつゆく杉の青き葉おちてゐたるを

きさらぎの はだれのうへに 見つつゆく 杉の青き葉 おちてゐたるを 作者:斎藤茂吉 瑞巌寺を詠んだ短歌 指定文化財〈国宝〉瑞巌寺本堂(宮城県松島)  

続きを読む
作品
しずまりし色を保ちて冬に入る穂高の山を今日見つるかも

しずまりし色を保ちて冬に入る穂高の山を今日見つるかも 作者:斎藤茂吉 解釈:晩秋、初冬の穂高を詠んだもの。山は秋の美しい色がやうやく寂びて来て、これから冬に入らうという時には、何ともいへぬほどの静寂になるものだなあ。 & […]

続きを読む
作品
あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり

あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり 作者:斎藤茂吉(1882年~1953年)歌人・精神科医 この歌は第2歌集『あらたま』の代表歌です。 読み方:あかあかと いっぽんのみち とおりたり たまきわるわが い […]

続きを読む