作品
天の川 霧立ち渡り彦星の 楫の音 聞こゆ 夜の更けゆけば
2023年6月30日
天の川 霧立ち渡り彦星の 楫の音 聞こゆ 夜の更けゆけば 万葉集(作者不明) 天の川には霧が立ち込め、その中から彦星の楫をこぐ音が聞こえる、夜が更けたからだ、というもの。七月七日の夜が更けて、いよいよ彦星が織姫星にあうた […]
自らの光のごとき明るさをささげて咲けりくれなゐの薔薇
2023年6月25日
自らの光のごとき明るさをささげて咲けりくれなゐの薔薇 作者:佐藤佐太郎 【現代訳】 自らがもつ光のような明るさをささげながら、真紅の薔薇が咲いているなあ。
田子の浦に打ち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪はふりつつ
2023年6月10日
田子の浦に打ち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪はふりつつ 百人一首4番 作者:山辺赤人 現代語解釈:田子の浦に出て見ると、富士の高嶺に真っ白な雪が降っている。
奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の声きく時ぞ秋は悲しき
2023年6月5日
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき 百人一首5番 作者:猿丸太夫 現代語解釈:人里離れた奥深い山で紅葉を踏み分けて鳴いている鹿の声を聞くときこそ、秋は悲しい(と感じられることだよ。)
人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふ故にもの思ふ身は
2023年4月26日
人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふ故にもの思ふ身は 百人一首99番 作者:後鳥羽院 現代語訳:人が愛おしくもあり、恨めしくもある。この世がおもしろくないと思うがために、もの思いにふける我が身であります。 ★当時、作者 […]
風そよぐならの小川の夕暮れは禊ぞ夏のしるしなりける
2023年4月19日
風そよぐならの小川の夕暮れは禊みそぎぞ夏のしるしなりける 百人一首98番 作者:従二位家隆(1158年~1237年) 現代語訳:風がそよぐ「ならの小川」の夕暮れは(もう秋のような涼しさですが)、禊(みそぎ)が行われている […]
枝にもる朝日の影の少なさに涼しさ深き竹の奥かな (京極為兼)
2023年4月12日
枝にもる朝日の影の少なさに涼しさ深き竹の奥かな 作者:京極為兼(1254~1332年) 歌意:竹の林が茂っているため、そこへ差し込む朝日の光が少ない。それだけに、その奥の涼気が一層清々しく感じられるのである。