作品
しずまりし色を保ちて冬に入る穂高の山を今日見つるかも
しずまりし色を保ちて冬に入る穂高の山を今日見つるかも 作者:斎藤茂吉 解釈:晩秋、初冬の穂高を詠んだもの。山は秋の美しい色がやうやく寂びて来て、これから冬に入らうという時には、何ともいへぬほどの静寂になるものだなあ。 & […]
宮島の紅葉が谷は秋闌けてもみじ踏み分け鹿の来る見ゆ
宮島の紅葉が谷は秋闌けてもみじ踏み分け鹿の来る見ゆ 作者:正岡子規(1867年~1902年) 季語:紅葉、秋闌く、鹿 意味:宮島の紅葉が谷の秋もそろそろ終わりのようですが、紅葉の落葉を踏み分けてやって来た鹿をみましたよ。 […]
猫の舌のうすらに紅き手ざはりのこの悲しさを知りそめにけり
猫の舌のうすらに紅き手ざはりのこの悲しさを知りそめにけり 作者:斎藤茂吉(1882~1953) 山形出身。東大医学部卒。本業は精神科医。業績は歌作に留まらず、研究・評論・随筆等がある。代表作『赤光』 出典:『赤光』 読み […]
君に似し姿を街に見る時のこころ踊りをあはれと思へ
君に似し姿を街に見る時のこころ踊りをあはれと思へ 作者:石川啄木(1886年~1912年)岩手県出身、明治時代に活躍した歌人。文学で生きていこうと上京しましたが、失敗や挫折を繰り返し、貧困と病苦の中で生活に即した3行書き […]
あの夏と呼ぶべき夏が皆にあり喉うごかして氷みづ飲む
あの夏と呼ぶべき夏が皆にあり喉うごかして氷みづ飲む 作者:小島ゆかり 解釈:誰にでも「あの夏」と思い出す、印象深い心に刻まれた夏がありますよね。確かにその通りだなぁと感じます。 最近の夏は猛暑ですが、燦燦と降り注ぐ太陽の […]
あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり
あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり 作者:斎藤茂吉(1882年~1953年)歌人・精神科医 この歌は第2歌集『あらたま』の代表歌です。 読み方:あかあかと いっぽんのみち とおりたり たまきわるわが い […]
あかねさす日の入りがたの百日紅くれなゐ深く萎れたり見ゆ
あかねさす日の入りがたの百日紅くれなゐ深く萎れたり見ゆ 作者:島木赤彦(1876~1926年) 下記の写真は、私にとって子供のような特別な百日紅の大木です。 今から21年前です。私の父は、取引先の来賓として […]
ひまわりは金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ
ひまわりは金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ 作者:前田夕暮 解釈:真夏の日の下にひまわりは、金色の油を体いっぱいに浴びたように、大きな花をゆらりと高い所にかかげている。背景の空には太陽が実に小さく見えているこ […]