白露の 色は一つを いかにして 秋の木の葉を ちぢに染むらん 藤原敏行
【白露の 色は一つを いかにして 秋の木の葉を ちぢに染むらん】藤原敏行作 (寸松庵色紙)
〖解釈〗 露は色々な色をしているわけではないのに、どうして秋の木の葉をさまざまな色に染めるのだろう。
★ひとつ…「一」
★ちぢ…さまざまに「千々」
「一」と「千」の対比により、紅葉の色の変化の豊かさを強く印象づけています。
露の色は”白”であるのに対して、紅葉の色彩はさまざま。
作者である藤原敏行が、露と紅葉との対比の面白さに注目して詠んだ歌です。
香龍