あかねさす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の隠らく惜しも 柿本人麿

あかねさす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の隠らく惜しも

作者:柿本人麿

日並皇子尊(ひなみしのみこのみこと)→草壁皇子。

解釈:茜色に太陽は照っていますが、
   ぬばたまの夜空を渡る月が
   隠れてしまうのは惜しいことです

 「あかねさす」は「日」の、ぬばたまのは「夜」の枕詞。
  人麿が草壁皇子の薨去に際して詠んだ長歌に続く反歌です。
 人麿は草壁を月に、母の持統天皇を日にたとえて、日食あるいは月食の作り出す闇とイメージを重ねて詠んでいます。