難波江のあしのかりねの一夜ゆゑ身をつくしてや恋わたるべき

難波江のあしのかりねの一夜ゆゑ身をつくしてや恋わたるべき 

百人一首88番

作者:皇嘉門院別当(こうかもんいんべっとう。12世紀ごろ)

太皇太后宮亮(たいこうたいごうぐうのすけ)源俊隆(としたか)の娘で崇徳院皇后(皇嘉門院)聖子(せいし)に仕えた女房でした。生没年は不詳ですが、1181年に出家して尼になったことが記録に残されています。別当は、家政を司る役目です。

解釈:難波の入り江の芦を刈った根っこ(刈り根)の一節(ひとよ)ではないが、たった一夜(ひとよ)だけの仮寝(かりね)のために、澪標(みおつくし)のように身を尽くして生涯をかけて恋いこがれ続けなくてはならないのでしょうか。