和漢朗詠集 花付落花(はな つけたり らつくわ)

【書いた内容の解釈】

花が上林苑に目も鮮やかに咲き始め、(高官たちを乗せた)軽やかな車が都大路を塵を巻き上げて疾走していく。

猿が物寂しい深山に泣き叫び、西に傾いた月の光が岩また岩の断崖を縫って走る路を照らし出す。

 

池の様は豊かにみなぎり、藍がその水を染めたようだ。

花の鮮やかさは炎が燃えるようで、火が春を焼き尽くそうとしているかのようだ。

 

遥か遠くから人家を見渡して、そこに花があればすぐに入っていく。

(その家の住民が)尊かろうと賤しかろうと、親しかろうと疎かろうと、そんなことは問題にしない。

 

(鮮やかな花の色が樹上だけでなく水上にも映って浮かんでいるのは)日(の光)に磨かれ(春の)風に磨かれた、高い(樹上と)

低い(水上の)千個万個の玉のようだ。

(樹上の)枝を染め(水面の)浪を染め、(布の)表や裏を一度二度と染め上げていく紅のようだ。