うす霧の籬(まがき)の花の朝じめり秋は夕べと誰かいひけん

うす霧の籬(まがき)の花の朝じめり秋は夕べと誰かいひけん

作者:藤原清輔(平安末期の歌人)

清少納言の『枕草子』に「秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに・・・」とありますが、清輔は、秋の面白みは夕暮れだけとは限るまい、朝の垣根に咲く草花が薄霧にしっとり濡れているのをごらんなさい、と言っています。

物の新しい見方が、新しい情緒を生んでいます。