梨食ふと目鼻片づけこの乙女 加藤楸邨

梨食ふと目鼻片づけこの乙女

作者:加藤楸邨(1905~1993年) 『吹越』所収

季語:梨→秋

梨に無心にかぶりつく少女。目も鼻もどこかへ片付けて没頭。

くすっと笑みがこぼれるようなこの俳句。情景が目に浮かびます。もともと俳句の「俳」の字は、一般人と変わったことをして人を興がらせる芸人の意だそうです。俳優の語はそこからきています。作者の俳句は、抜群の俳味をたたえていますね。