夏ふかみ入江のはちすさきにけり浪にうたひてすぐる舟人

夏ふかみ入江のはちすさきにけり浪にうたひてすぐる舟人

作者:藤原良経 『秋篠月清集』所収。『新古今集』撰者の一人。年若くして太政大臣となった博学多才の貴公子。

後鳥羽天皇の信任厚く、新古今歌壇を隆盛に導きましたが、38歳で急逝しました。

現代語訳:夏が深まりゆく入江には蓮の花が咲いている。水上に大きな多弁の花を咲かせる蓮の花。あまりにも美しいその姿に、舟を漕ぐ人も思わず歌を歌いながら過ぎていきます。