我が背子が衣はるさめふるごとに野辺の緑ぞ色まさりける

我が背子が 衣はるさめ ふるごとに 野辺の緑ぞ 色まさりける

寸松庵色紙  紀貫之筆を臨書

 

◾背子 ・・・ 女性が夫・恋人などを指して呼ぶ言葉

あの人の衣を張る、そんな春の雨が降るごとに、野辺の緑の色が濃くなってゆく、という歌。

 

"我が背子が" の 「が」は 「の」という意味で、貫之が女性の立場に立って詠った歌。衣を洗って張る(しわを伸ばす)という 「はる」に春雨を掛けている。また掛詞と言うには無理があるが、 "ふる" が水分を切るために衣を振るという動作と縁語になっているようにも見える。