天の川 霧立ち渡り彦星の 楫の音 聞こゆ 夜の更けゆけば

天の川 霧立ち渡り彦星の 楫の音 聞こゆ 夜の更けゆけば

万葉集(作者不明)

天の川には霧が立ち込め、その中から彦星の楫をこぐ音が聞こえる、夜が更けたからだ、というもの。七月七日の夜が更けて、いよいよ彦星が織姫星にあうために、楫をこいで天の川を渡るのだ、という予感のようなものを詠ったもの。