雪解川名山けづる響きかな

雪解川名山けづる響きかな 『普羅句集』所収。

作者:前田普羅→大正初期から虚子門で頭角を現した俳人。東京生まれだが、新聞記者として多年富山に在勤。

解釈:北国の春の雪解けの時期、にわかに水量を増した山川が走りくだる勇壮なさまを「名山けづる」と誇張して歌い上げた。

「響きかな」がどっしり腰を据えているので、誇張が上げっ調子にならず、かえって作者の心の張りを伝える。