憂きことを海月(くらげ)に語る海鼠(なまこ)かな
憂きことを海月(くらげ)に語る海鼠(なまこ)かな
作者:黒柳 召波 (与謝蕪村の門人)。別号を春泥という。
季語:海月(くらげ)→ 夏 海鼠(なまこ)→ 冬
春泥発句集では、冬の部「海鼠」の項に掲載されている。」
解釈:海月(くらげ)はふわふわと浮いて楽天的である。一方、海鼠(なまこ)は憂鬱の塊みたいな存在である。心配事を海鼠が海月に語っているのだが、海月は「そうかいそうかい、気にしない」と取り合ってくれない。海鼠の悩みは解決に至らないが、海月に話を聞いてもらっただけで少し気が楽になっていく。海月は聞くだけ聞いて、聞いたそばから忘れていくから、海月には悩みなんて存在しない、だからいつもフワフワしている。