天つ風雲のかよひぢ吹き閉ぢよをとめの姿しばしとどめむ

天つ風雲のかよひぢ吹き閉ぢよをとめの姿しばしとどめむ

作者:良岑宗貞(よしみねのむねさだ)は僧正遍昭の出家前の名前。

口語訳:空を吹く風よ。(この天女たちが帰ってゆく)雲の中の通り道を吹き閉ざしてくれ。

(この美しい)天女たちの姿をもう少し地上にとどめておこう(と思うから)。

五節の舞姫を天女に見たて、舞姫が舞い終わって退出するのを、天上へ帰ると見立てて詠んだもの。

「五節」は昔、朝廷で大嘗会または新嘗会に行われた女舞楽をいう。その時の舞姫は、公卿と国司との未婚の美しい娘が選ばれました。

★雲のかよひぢ→雲の間の通り道。