吉野山八重たつ峯の白雲にかさねて見ゆる花桜かな

吉野山八重たつ峯の白雲にかさねて見ゆる花桜かな

作者:藤原清家

「遠山桜」という題で、白雲に見立てた吉野の桜が詠まれている。

平安時代、吉野は山岳信仰としての色を強め、多くの修験者が集まるようになる。金峯山寺を開くに際し、桜の木に感得した蔵王権現を彫って、本尊とした。これによって、桜はご神木として保護され相次ぐ寄進を受けるようになり、下千本、中千本、上千本、奥千本と吉野を覆う千本桜へと発展した。

※写真は私が撮影したものです。