むばたまの暗き闇路に迷ふなり我にかさなむ三つのともし火
むばたまの暗き闇路に迷ふなり我にかさなむ三つのともし火
作者:後醍醐天皇
北朝方との対立が激しくなって、やむをえず、ひそかに京都の花山院を脱出された後醍醐天皇は、延元元年(1333年)12月28日 吉野山の行宮(仮の宮)にお着きになることができました。
途中、夜道に迷われた時、とある稲荷社の前で、
『むばたまの暗き闇路に迷ふなり我にかさなむ三つのともし火』
とお詠みになると、ひとむらの紅い雲が現れて、吉野への臨幸の道を照らしてお導きをし、その雲は金の御岳(吉野山)の上で消え失せたといいます。(吉野拾遺)
その稲荷を勧請したのがこの「導きの稲荷」です。
人々の心に迷いがあるとき、この神様にお祈りすると、おのずから道が開けるという言い伝えがあります。
香龍撮影
香龍撮影