吉野なる夏実の河の河淀に鴨ぞ鳴くなる山かげにして

吉野なる夏実の河の河淀に鴨ぞ鳴くなる山かげにして

作者:湯原王(ゆはらのおおきみ)

湯原王は志貴皇子の第2子で光仁天皇のご兄弟。

「夏実」は吉野川の一部で、宮滝の上流約十町にある。

解釈:吉野にある夏実の川淵に鴨が鳴いている。山の影の静かなところだ。

結句の「山かげにして」は一首に響く大切な句で、作者の感慨がここにこもり、叙景歌の極致である。

また一首の中に「なる」の音が2つもあり、か