虹自身時間はありと思ひけり

作者:阿部青鞋(あべせいあい)

『火門集』(昭和3)所収

虹という「虚」の現象が、それ自身で時を思考するノンセンスです。

読み手の脳裏で「虚」が「実」とかくれんぼし、あっても不思議ではない世界が開けます。

虹がある時間、空にとどまっているといった現象の事実を詠んでいるものではない句です。